『薬屋のひとりごと』の漫画は2種類あり、サンデーGX版の最新刊は2026年10月時点で22巻。ビッグガンガン版とは作者・構成・物語の進み方が異なります。
同じ猫猫の物語なのに、書店では似た表紙の漫画が二つ並んでいる。初めて見たときに「こちらは分身……?」と戸惑った人も少なくないはずです。
この記事では、サンデー版は何巻まで刊行されているのか、原作のどこまで進んでいるのか、もう一つの漫画版と何が違うのかを、作者情報や各編の内容とあわせて整理します。
『薬屋のひとりごと』漫画の違いは?サンデー版との比較
結論から言うと、『薬屋のひとりごと』には出版社と制作陣が異なる二つの漫画版があります。
- 小学館の月刊サンデーGXで連載されている『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
- スクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンで連載されている『薬屋のひとりごと』
どちらも日向夏先生の原作小説をコミカライズした作品です。
物語の根幹や主要人物は同じですが、漫画を描く作家、構成、場面の取捨選択、表情の見せ方、謎解きの伝え方が違います。
| 比較項目 | サンデーGX版 | ビッグガンガン版 |
|---|---|---|
| 正式タイトル | 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』 | 『薬屋のひとりごと』 |
| 出版社 | 小学館 | スクウェア・エニックス |
| 掲載誌 | 月刊サンデーGX | 月刊ビッグガンガン |
| 原作 | 日向夏 | 日向夏 |
| 作画 | 倉田三ノ路 | ねこクラゲ |
| 構成 | 原作を基に倉田三ノ路が漫画化 | 七緒一綺 |
| キャラクター原案 | しのとうこ | しのとうこ |
| 最新刊 | 22巻 | 17巻 |
| 2026年10月時点の進行 | 原作小説5巻相当 | 原作小説4巻のクライマックスまで |
| 主な印象 | 謎解きと情報整理が緻密 | 表情が豊かで人物の感情を追いやすい |
サンデー版は、事件の因果関係や伏線をじっくり読み解きたい人に向いています。
一方のビッグガンガン版は、猫猫や壬氏をはじめとする登場人物の感情が表情に強く表れ、華やかな画面で物語に入りやすいのが魅力です。
「どちらが正解なの?」と心配する必要はありません。どちらも正式なコミカライズであり、同じ原作を別の作家がそれぞれの漫画表現で描いています。
同じ料理のレシピを二人の料理人が預かったようなもの、と考えると分かりやすいでしょうか。材料は同じでも、火の入れ方と盛りつけで味わいが変わる。しかも題材が薬と毒なので、比喩に少し緊張感があります。
サンデー版は謎解きの筋道を追いやすい
サンデーGX版は、猫猫が何を見て、どの情報を手がかりに答えへ近づいたのかを比較的細かく描きます。
事件に関係する道具、薬、衣装、建物の構造などが画面の中に置かれ、その情報が後から意味を持つことも珍しくありません。
一度目は物語を追い、二度目は小物や視線を確かめる。そんな読み返し方と相性のよい漫画です。
ビッグガンガン版は人物の表情とテンポが魅力
ビッグガンガン版は、猫猫のコミカルな反応や壬氏の美貌、二人の距離感を視覚的に楽しみやすい構成です。
人物同士の会話や感情の動きが画面の中心になりやすく、アニメから入った読者にもなじみやすいでしょう。
同じ事件を扱っていても、サンデー版を読んだ後では「ここを感情の場面として見せるのか」と驚かされます。逆の順番なら、「この場面の裏では、こんな理屈が動いていたのか」と気づけるはずです。
漫画はなぜ2種類あるの?
二つの漫画版は、同じ原作小説を別々の出版社がコミカライズした作品です。
サンデーGX版は2017年9月号から連載が始まり、ビッグガンガン版も2017年から連載されています。片方がもう片方を描き直したものではなく、制作陣の異なる独立したシリーズです。
タイトルだけを見ると間違えやすいのですが、表紙や奥付で作画担当者を確認すれば見分けられます。
- 倉田三ノ路と書かれているものがサンデーGX版
- ねこクラゲ・七緒一綺と書かれているものがビッグガンガン版
書店や電子書籍ストアで迷ったら、正式タイトルの「猫猫の後宮謎解き手帳」という副題を目印にしてください。
『薬屋のひとりごと』漫画サンデー版は何巻まで?
『薬屋のひとりごと』サンデーGX版は、2026年6月19日に第22巻が発売されました。2026年10月時点では、この22巻が最新刊です。
正式な作品名は『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』。月刊サンデーGXで連載され、サンデーGXコミックスから単行本が刊行されています。
| 確認項目 | 2026年10月時点の情報 |
|---|---|
| 最新刊 | 第22巻 |
| 第22巻発売日 | 2026年6月19日 |
| 掲載誌 | 月刊サンデーGX |
| 掲載誌の発売時期 | 毎月19日ごろ |
| レーベル | サンデーGXコミックス |
| 電子版 | 小学館の電子書店などで配信 |
| 原作との対応 | 原作小説5巻相当を進行中 |
| 連載状況 | 連載中 |
元記事公開時の2025年5月には20巻まででしたが、その後21巻、22巻が刊行されています。
第22巻では、夜の都に現れた見世物の一座と、白い髪に赤い目を持つ「仙女」の噂が描かれます。人の心を読み、金を生み、不老不死の薬まで作るという、猫猫の好奇心が静かにしていられるはずのない案件です。
猫猫は義兄の羅半とともに見世物へ向かいます。一方、皇弟として公の場に立つようになった壬氏からは、猫猫へ一通の文が届きます。
後宮の閉じた空間だけでなく、都に流れる噂や人々の欲望が事件を動かす段階へ入っている点が、22巻周辺の大きな特徴です。
サンデー版は原作小説のどこまで進んでいる?
サンデーGX版の22巻は、原作小説5巻に相当する内容を描いています。
巻ごとに原作の場面が完全に一対一で対応するわけではありません。漫画では場面の順序を調整したり、事件の理解に必要な情報を前後させたりするため、「漫画22巻の続きは小説のこのページ」と機械的に区切るのは難しいところです。
それでも大きな進行度で見ると、20巻で原作4巻終盤から5巻序盤へ入り、21巻と22巻で原作5巻の物語をさらに進めた、と捉えると分かりやすいでしょう。
続きから原作を読みたい場合は小説5巻が候補になります。ただし、漫画版独自の構成や省略された内面描写もあるため、確実に流れをつかみたいなら原作4巻の終盤、または4巻の最初から読むのがおすすめです。
原作を少し確認するだけのつもりが、そのまま次巻へ進む可能性があります。確認という言葉は、面白い物語の前ではときどき無力です。
最新22巻で注目したい変化
22巻まで来ると、物語の視野は初期の後宮内にとどまりません。
猫猫が扱う謎は、妃や女官の身近な異変から、都の噂、政治的な立場、人々が信じたがる「奇跡」へと広がっています。
特に「仙女」の噂は、『薬屋のひとりごと』らしい題材です。超常的に見える現象が、本当に人ならざる力なのか、それとも薬学、仕掛け、心理を利用したものなのか。猫猫の目を通すことで、曖昧だった噂が観察可能な事実へ変わっていきます。
また、壬氏が皇弟として人前に出るようになったことも重要です。
初期の壬氏は、後宮を管理する美しい宦官として猫猫の前に現れました。しかし巻数を重ねるほど、その立場と素性が物語の政治的な部分へ結びついていきます。
猫猫と壬氏の距離が単純な恋愛だけで進まないのは、二人が背負う立場にあまりにも大きな差があるからです。手紙一通にも公的な意味と私的な感情が重なる。読む側は行間まで確認することになります。壬氏、もう少し簡単な道を選んでくれてもよいのですが、そうしないから物語になるのでしょう。
序章から園遊会まで|サンデー版の物語はどう始まる?
サンデーGX版の序盤では、花街の薬師だった猫猫が人さらいに遭い、後宮の下女として働くことになります。
猫猫は年季が明けるまで目立たず過ごすつもりでした。ところが、帝の御子が相次いで衰弱しているという噂を耳にします。
薬と毒への強い好奇心を持つ猫猫は、症状や周囲の状況から原因に気づき、匿名の警告を残しました。その知識を見抜いたのが、後宮を管理する美貌の宦官・壬氏です。
猫猫の後宮入り
猫猫は花街で薬師として暮らしていましたが、誘拐されて後宮へ売られます。
読み書きができることを隠し、給金が人さらいへ渡る期間を静かにやり過ごそうとする姿からは、彼女の現実的な性格がよく分かります。
正義感だけで事件へ飛び込む主人公ではありません。面倒を避けたい気持ちと、薬や毒を前にすると止まらなくなる好奇心。その矛盾が猫猫を動かします。
御子を襲った異変
序盤の大きな事件は、帝の御子たちが次々と体調を崩した理由の解明です。
猫猫は呪いとして恐れられていた症状を観察し、生活用品に原因がある可能性へたどり着きます。
ここで示されるのは、派手な名探偵のひらめきというより、知識と観察の積み重ねです。誰もが見ていた品物でも、その危険性を知っている者にしか異変の正体は見えません。
『薬屋のひとりごと』の謎解きは、犯人当てだけではないのです。習慣、無知、立場の弱さ、伝えられなかった知識が、ときに毒と同じ働きをします。
壬氏との出会いが物語を動かす
壬氏は猫猫の能力に気づき、彼女を玉葉妃付きの侍女にします。
猫猫にとっては、目立たず年季を終える計画が崩れた瞬間です。一方の壬氏にとっては、後宮の不可解な事件を解く知恵を持つ人物を見つけたことになります。
二人の関係は、信頼から始まるわけでも、分かりやすい恋から始まるわけでもありません。壬氏は猫猫の知識を面白がり、猫猫は壬氏を面倒事の発生源として警戒する。この温度差が、後の長い関係の基礎になります。
園遊会で見える後宮の力関係
園遊会では、妃たちの装い、侍女の振る舞い、贈られる簪などに身分と人間関係が表れます。
華やかな衣装が並ぶ場面ですが、その下では毒見、派閥、体面、皇帝の寵愛が複雑に絡んでいます。
サンデー版では衣装や小物が細かく描かれるため、誰がどの立場にいて、何を見せようとしているのかを視覚的に読み取りやすくなっています。
猫猫が毒見役として料理を口にする場面も、この作品を象徴する一幕です。危険を前にした緊張より、珍しい毒への関心が勝ってしまう。周囲が青ざめるほど本人の目が輝くので、読者は頼もしさと心配を同時に抱えることになります。
花街編から楼蘭妃の物語まで|サンデー版の重要エピソード
サンデー版は、後宮内の小さな事件を積み重ねながら、やがて宮廷全体を揺らす大きな陰謀へつなげていきます。
一見すると無関係な出来事が後から一本の線になるため、序盤の会話や小物も軽く読み流せません。
花街編で明らかになる猫猫の過去
猫猫が育った花街は、彼女の薬学知識と人間観が形作られた場所です。
養父の羅門から薬を学び、緑青館の妓女たちに囲まれて育った経験が、後宮でも猫猫を支えています。
花街は華やかな場所としてだけ描かれません。病、借金、身請け、価値をつけられる女性たちの生活があり、猫猫は幼いころからその現実を見てきました。
だからこそ彼女は、感情より損得を先に計算することがあります。それは冷たさというより、感情だけでは人を救えない環境で身につけた防御でもあるのでしょう。
羅漢と猫猫の関係
軍師・羅漢の登場によって、猫猫の出生と家族関係が物語の中心へ浮かび上がります。
羅漢は人の顔を認識しにくい一方、盤上の駒のように人物の能力を見抜く特異な才を持ちます。彼の猫猫への執着は強く、初見では不気味にさえ映ります。
しかし過去をたどると、その執着の奥には鳳仙との関係、失われた時間、選べなかった家族への思いがありました。
ここで作品は、羅漢を単純な悪役にも、悲劇の父親だけにも固定しません。猫猫が彼をどう受け止めるかも含め、家族だから許されるわけではなく、嫌悪しているから無関係になれるわけでもないという複雑さを残しています。
翠苓と連続する事件
宮中で起きた複数の事件には、女官・翠苓が関係していました。
個別の事故や騒動に見えた出来事が、祭祀の場で起きる大事件へ収束していきます。
サンデー版の強みがよく表れるのは、この「点が線になる」過程です。建物、儀式の手順、道具、薬物に関する情報が事前に置かれ、猫猫の推理によって意味を変えていきます。
犯人の名前だけを知っても、この編の面白さは十分に味わえません。何が危険だったのか、なぜ周囲が防げなかったのかまで理解した瞬間、序盤から張られていた糸が一気に見えてきます。
楼蘭妃と子の一族
楼蘭妃をめぐる物語では、後宮の謎解きが国家規模の事件へ広がります。
楼蘭妃は装いや化粧の印象を大きく変え、周囲から本心を読み取りにくい人物として描かれます。その変化は気まぐれな演出ではなく、自分がどう見られるかを操作するための手段でもあります。
彼女の背景には子の一族と神美の存在があり、個人の願いだけでは動かせない家と政治の力が横たわっています。
楼蘭の選択を善悪の二文字だけで整理するのは難しいでしょう。彼女は多くを知りながら、自由に説明できる位置にはいませんでした。
言葉ではなく装いを変え、別の顔を使い分け、相手が気づける形で手がかりを残す。その姿は、後宮で女性が生き延びるための知恵を極端な形で示しているようにも見えます。
砦編で猫猫と壬氏が直面するもの
子の一族をめぐる騒動では、猫猫が砦へ連れて行かれ、壬氏たちが反乱の鎮圧と猫猫の確保に動きます。
ここで壬氏は、後宮内で人を動かしていたときとは異なる責任を負います。自らの立場を隠したままでは守れないものが増え、政治の表側へ近づかざるを得なくなるからです。
猫猫もまた、薬師として謎を解くだけでは済まない状況に置かれます。知識が人を救う一方で、権力者から見れば利用価値にもなる。その危うさが、砦編でははっきりします。
知識を持っているから自由になれるとは限りません。むしろ、知ってしまったために逃げられなくなることもある。『薬屋のひとりごと』が単なる痛快な謎解きで終わらない理由が、ここにあります。
作者は誰?サンデー版を支える3人の役割
サンデーGX版の作者クレジットは、原作・日向夏、作画・倉田三ノ路、キャラクター原案・しのとうこです。
「作者は倉田三ノ路先生だけ?」「日向夏先生は漫画も描いているの?」と迷いやすいところですが、それぞれ役割が異なります。
| 担当 | 名前 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 原作 | 日向夏 | 物語、人物、事件、世界観の土台を作る |
| 作画 | 倉田三ノ路 | 原作を漫画として構成し、人物や後宮を絵で表現する |
| キャラクター原案 | しのとうこ | 原作小説の挿絵とキャラクターの基本デザインを担当する |
日向夏|毒と人間関係を結ぶ物語設計
原作者の日向夏先生は、薬学的な題材、宮廷の権力関係、登場人物の過去を組み合わせて物語を構築しています。
初期には一話ごとの謎として読めた事件が、後になって大きな陰謀の一部だったと分かる構成も特徴です。
それでも物語が説明だけに傾かないのは、事件の中心にいつも人間の事情があるからでしょう。
毒そのものが悪いのではなく、使う人、知らずに触れる人、危険を伝えられない環境が悲劇を生む。薬と毒の境界が量や使い方で変わるように、登場人物も見る立場によって印象が変わります。
倉田三ノ路|視線と小物で謎を見せる作画
倉田三ノ路先生の作画では、人物の手元、視線、衣装、薬を扱う所作が丁寧に描かれています。
猫猫が薬を調合する場面では、長い説明がなくても手つきから慣れが伝わります。反対に、いつも冷静な人物の指がわずかに止まると、それだけで心の揺れが見えることもあります。
背景や小物は装飾ではありません。簪、器、布、化粧、薬包といった品々が、身分や関係性、事件の手がかりを語ります。
情報量が多いため、早く続きを知りたいのに一コマごとに目が止まる。読者としては困ります。うれしい種類の困りごとですが。
しのとうこ|人物の立場まで伝えるデザイン
しのとうこ先生によるキャラクター原案は、原作小説と二つの漫画版に共通する世界観の核です。
猫猫の簡素な装いとそばかす、壬氏の人目を引く美貌、妃たちの格式ある衣装など、外見から人物の立場や生き方が伝わります。
特に後宮では、自由に言葉を発せない場面が少なくありません。衣装の格、髪型、化粧、身につけた品が、本人の意思とは別に所属や価値を示します。
デザインを理解して読むと、華やかな画面の奥にある緊張まで見えやすくなります。
アニメの続きはサンデー版の何巻から読めばいい?
アニメ第1期は、原作小説1巻と2巻を中心に描きました。サンデーGX版では、おおむね8巻前後までが対応する範囲です。
アニメ第2期は原作小説3巻と4巻に相当する物語を扱い、子の一族や楼蘭をめぐる大きな展開まで進みました。サンデー版では20巻付近までが目安になります。
| アニメ | 原作小説の目安 | サンデー版の目安 |
|---|---|---|
| 第1期 | 1~2巻 | 1~8巻前後 |
| 第2期 | 3~4巻 | 9~20巻前後 |
| 第2期の続き | 5巻以降 | 20巻終盤~ |
アニメ第2期の続きから読みたい場合は、サンデー版20巻の終盤または21巻からが一つの目安です。
ただし、漫画版とアニメ版では場面の順番や説明の量が異なります。第2期で印象に残った事件を漫画ならではの構成で味わいたいなら、9巻付近から読むと違いを楽しめます。
2026年10月2日にはテレビアニメ第3期の放送も始まりました。これから映像化される範囲を先に知りたい人にとって、21巻と22巻は特に気になる位置にあります。
どの順番で読むのがおすすめ?
初めて『薬屋のひとりごと』に触れるなら、次の選び方が分かりやすいでしょう。
- 謎解きの手順や伏線を丁寧に追いたい:サンデーGX版
- 人物の表情やテンポを楽しみたい:ビッグガンガン版
- 登場人物の内面や世界設定まで深く知りたい:原作小説
- 声、音楽、色彩、動きで物語を味わいたい:テレビアニメ
一つを読んだから、ほかは不要という関係ではありません。
例えば園遊会の場面でも、原作では猫猫の思考を文章で追えます。サンデー版では小物と情報の配置が際立ち、ビッグガンガン版では人物の反応が前へ出ます。アニメでは声と音、料理の色、会場の空気が加わります。
同じ事件を四度見ることになりますが、不思議と同じ景色にはなりません。予定していた睡眠だけが、毎回同じように減っていきます。
サンデー版の刊行ペースと今後の見通し
サンデーGX版は月刊連載で、単行本は連載話がまとまった段階で刊行されます。
過去には年2冊前後のペースで発売される時期が多く見られました。ただし、制作状況や収録話数によって間隔は変わるため、次巻の発売日は小学館やサンデーGXの公式発表を待つ必要があります。
元記事では「年2~3冊」「次巻は2025年秋から冬」と予想していましたが、現在は22巻まで発売済みです。今後も過去の平均だけで発売月を断定することはできません。
紙の単行本のほか、小学館の電子書店などでも配信されています。連載は月刊サンデーGXで追うことができ、作品情報や試し読みはサンデーGX公式サイトでも確認できます。
休載や単行本作業で発売時期は変わる
月刊誌で連載されていても、毎号必ず同じページ数が掲載されるとは限りません。
休載、単行本作業、収録話の区切りなどによって、新刊の発売間隔が変わる可能性があります。
特に『薬屋のひとりごと』は、事件の途中で巻を切るか、一定の結末まで収録するかによって読後感が大きく変わる作品です。単純に数話たまったから刊行、とはならない場合もあるでしょう。
最新の発売日、価格、特装版、電子版の配信状況は変動するため、購入前に小学館の公式情報や利用する書店で確認してください。
月白しずくの考察|二つの漫画版が共存できる理由
ここからは、公式発表ではなく私の考察です。
二つの漫画版が長く読まれている理由は、単に絵柄が違うからではありません。原作が持つ二つの大きな魅力を、それぞれ異なる角度から見せているためだと考えています。
一つは、薬学と観察を使って不可解な出来事を解くミステリーとしての魅力。もう一つは、猫猫と壬氏を中心に、立場の異なる人々が近づいたり離れたりする人間ドラマとしての魅力です。
サンデー版は、前者を味わいやすい構成です。猫猫の推理が成立するまでの材料が画面に置かれ、読者もその場を調べているような感覚になります。
ビッグガンガン版は、後者が印象に残りやすい作品です。人物の表情や距離が感情を伝え、猫猫が言葉にしないものまで視覚的に受け取りやすくなっています。
ただし、両者は完全に分離しているわけではありません。サンデー版にも胸を突かれる人物描写があり、ビッグガンガン版にも丁寧な謎解きがあります。違うのは、読者の視線を最初にどこへ案内するかです。
サンデー版は「何を見落としていたか」を教えてくれる
私がサンデー版を読んでいて特に面白いと感じるのは、事件解決後に前のページへ戻りたくなる点です。
最初は背景に見えた道具、何気ない衣装、短い会話が、答えを知った後では手がかりに変わります。
これは猫猫の観察力を読者へ説明するだけでなく、私たち自身の見方を試す仕掛けでもあるのでしょう。
人は、自分が重要だと思ったものだけを見ます。猫猫は薬師としての知識があるため、ほかの人が重要だと思わなかった匂い、色、症状、習慣に目を向けます。
彼女が特別なのは知識量だけではなく、権威のある人が示した答えをそのまま信じないことです。誰が言ったかではなく、目の前で何が起きているかを見る。この姿勢が、後宮という噂と体面に支配された場所で強い武器になります。
猫猫と壬氏の距離は立場の変化で読み直せる
序盤では、壬氏が猫猫を追い回し、猫猫が迷惑そうに逃げる関係がコミカルに見えます。
しかし壬氏の立場が明らかになり、彼が公の役割を背負うようになると、同じやり取りの意味が変わります。
壬氏が猫猫へ近づくことは、個人の好意だけでは済みません。猫猫にとっても、壬氏との関係を受け入れることは、自分が避けてきた権力の中心へ近づくことを意味します。
そのため二人の距離は、気持ちが通じれば縮まるという単純なものではありません。
言わない猫猫と、言っても思いどおりに届かない壬氏。沈黙の理由が違う二人だからこそ、短い会話や一通の文が重くなります。
22巻で壬氏から猫猫へ文が届くという展開も、初期より大きな意味を持つはずです。皇弟として表へ出た壬氏が、どの立場から、どの言葉を選ぶのか。手紙の内容だけでなく、書けなかったことまで気になります。
どちらか一冊を選ぶなら、読みたいものから決めていい
二つの漫画版を前にすると、先に「どちらが優れているか」を知りたくなります。
けれど、これは優劣より相性の問題です。
謎が解ける瞬間の納得感を重視するならサンデー版。人物の表情や関係性に心を動かされたいならビッグガンガン版。物語の全体像を先まで知りたいなら原作小説が合います。
私は比較し始めると、同じ場面を両方開いて確認したくなります。気づけば机の上が後宮の資料室です。片づける予定はあります。予定だけは、いつでも立派です。
『薬屋のひとりごと』漫画サンデー版のまとめ
『薬屋のひとりごと』の漫画には、サンデーGX版とビッグガンガン版の2種類があります。
サンデーGX版の正式タイトルは『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』。原作は日向夏先生、作画は倉田三ノ路先生、キャラクター原案はしのとうこ先生です。
2026年10月時点の最新刊は22巻で、物語は原作小説5巻相当へ進んでいます。
重要なポイントを整理すると、次のとおりです。
- サンデーGX版は2026年6月発売の22巻まで刊行
- 原作小説5巻相当の物語を進行中
- 作画は倉田三ノ路、原作は日向夏、キャラクター原案はしのとうこ
- 謎解きの手順、伏線、小物、政治的な背景を丁寧に追いやすい
- ビッグガンガン版は作画・ねこクラゲ、構成・七緒一綺
- 二つの漫画版は独立した正式コミカライズ
- アニメ第2期の続きは、サンデー版20巻終盤から21巻付近が目安
- 続きを原作で読むなら小説5巻が候補
後宮で始まった小さな違和感は、巻を重ねるたびに都と国の動きへつながっていきます。
猫猫は相変わらず、華やかな権力より薬と毒のほうを見ています。けれど彼女が視線をそらしている間にも、人との関係は静かに変わっている。その変化を見届けたくて、また次の巻を開いてしまうのでしょう。
よくある質問
『薬屋のひとりごと』のサンデー版は完結していますか?
完結していません。2026年10月時点で月刊サンデーGXにて連載中です。
単行本は22巻まで刊行されています。次巻の発売日は、公式発表を確認してください。
サンデー版とビッグガンガン版は内容が同じですか?
原作と主要な物語は同じですが、漫画としての構成や演出は異なります。
サンデー版は謎解きや背景情報を追いやすく、ビッグガンガン版は人物の表情や感情を楽しみやすい傾向があります。
サンデー版とガンガン版はどちらが原作に忠実ですか?
どちらも原作を基にした正式なコミカライズで、媒体に合わせて構成や表現を調整しています。
「忠実」を情報量や推理の筋道という意味で捉えるならサンデー版が合いやすく、人物の感情を視覚的に受け取りたい場合はビッグガンガン版が読みやすいでしょう。
アニメ第2期の続きはサンデー版の何巻からですか?
20巻終盤から21巻付近が目安です。
ただしアニメと漫画では構成が異なるため、楼蘭や子の一族をめぐる展開を漫画版でも丁寧に確認したい場合は、少し前の巻から読むことをおすすめします。
サンデー版はどこで読めますか?
紙の単行本、各電子書籍ストア、月刊サンデーGXなどで読めます。
電子版の配信範囲、無料話、価格、キャンペーンは変わることがあるため、最新情報は小学館や各ストアの案内を確認してください。



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