「怖い父」だったはずなのに、最後にこぼれたのは、あまりにも小さな人間の声でした。
2026年10月9日放送の朝ドラ『ブラッサム』第10回。雪の中で「死にとうない」と珠にすがる父・葉野清治を演じたのは、俳優の渡部篤郎(わたべ・あつろう)さんです。
放蕩無頼で、怒鳴り、娘の人生まで決めようとした清治。それでも最期の場面を見たあとでは、ただ「ひどい父親」だったとは言い切れません。憎らしさと哀れさ、威圧感と弱さ。そのすべてが同じ顔の中にありました。
この記事では、『ブラッサム』の父親役は誰なのか、渡部篤郎さんの年齢・プロフィール・代表作、朝ドラ初出演という意外な事実、そして第10回の演技に込められた意味を整理します。
この記事には『ブラッサム』第10回(2026年10月9日放送)の内容と父・清治の最期に関する記述があります。
この記事でわかること
- 父・葉野清治役の俳優は誰か
- 渡部篤郎さんの年齢・所属事務所・主な出演作
- 約40年の俳優歴で『ブラッサム』が朝ドラ初出演であること
- 第10回の「もう一人の清治」と雪の演出の意味
- 清治の最期が珠の第3週以降に残すもの
『ブラッサム』父親役の俳優は渡部篤郎
| 役名 | 葉野清治(はの・きよじ) |
|---|---|
| 俳優 | 渡部篤郎(わたべ・あつろう) |
| 生年月日 | 1968年5月5日 |
| 年齢 | 58歳(2026年10月時点) |
| 出身地 | 東京都 |
| 所属 | スターダストプロモーション |
| 朝ドラ出演 | 『ブラッサム』が初出演 |
『ブラッサム』で主人公・葉野珠の父、葉野清治を演じるのは渡部篤郎さんです。
清治は、岩国でも有数の蔵元「葉野酒造」の長男でありながら家業を継がず、働かずに遊び歩く人物として登場しました。一方で、娘の珠には厳しく、縁談まで自分で決めようとします。
この矛盾が、清治という人物のいちばん厄介で、いちばん人間らしいところです。
自分は家の決めた道から逃れたのに、娘には家の論理を押しつける。自由を望んだ人が、誰かの自由を奪ってしまう。そのねじれを、渡部さんは大声だけでなく、黙っているときの目や、少し崩した姿勢でも見せていました。
渡部篤郎のプロフィールと代表作
渡部篤郎さんは1968年5月5日生まれ、東京都出身。2026年10月時点で58歳です。
1990年代から映画・ドラマで存在感を示し、静かな役でも危うさを感じさせる独特の芝居で知られてきました。代表的な出演作には、ドラマ『ストーカー 逃げきれぬ愛』『ケイゾク』『ビューティフルライフ』『恋がしたい恋がしたい恋がしたい』『外事警察』、映画『静かな生活』などがあります。
とくに『ケイゾク』の真山徹役を覚えている方も多いのではないでしょうか。つかみどころのない軽さの奥に、消えない傷や執念を隠す人物。渡部さんには、人物の「見せている顔」と「しまっている顔」を同時に感じさせる力があります。
清治も同じです。横暴さだけを強くすれば、珠が逃げるべき単純な父になる。しかし渡部さんが演じると、その横暴さの奥に、家を継げなかった男の焦りや、自分の人生を持て余している気配がにじみます。
約40年の俳優歴で『ブラッサム』が朝ドラ初出演
意外ですが、渡部篤郎さんにとって『ブラッサム』は初めての連続テレビ小説です。
長いキャリアと数多くの代表作があるため、過去にも朝ドラへ出演していたように感じますよね。けれど所属事務所の公式プロフィールでも、『ブラッサム』への出演が確認でき、本作が朝ドラ初出演として紹介されています。
そして初朝ドラで託されたのが、ヒロインの人生の原点に傷と問いを残す父親役でした。登場は物語の序盤まででも、その影は簡単には消えない。短い時間で作品の温度を決める役だからこそ、渡部さんの存在感が必要だったのでしょう。
第10回ネタバレ|父・清治の壮絶な最期

第10回で病状が悪化した清治は、幻のような「もう一人の自分」と向き合います。
やがて包丁を手に外へ飛び出し、雪の降る町で取り乱す清治。止めに入った珠に抱かれた彼は、「わしゃ、結局、何にも……」と声を震わせ、「死にとうない」と繰り返しました。
あれほど家族を支配していた父が、最後には娘にしがみつく。
強い父の仮面が落ちたあとに残ったのは、「何者にもなれなかった」と感じている一人の男と、死を怖がる一人の人間でした。
清治がしたことが帳消しになるわけではありません。珠を傷つけた事実と、清治自身にも苦しみがあったことは、同時に存在します。
その二つをどちらか一方へ片づけなかったから、あの場面は苦しいのだと思います。
清治の最期を映像でもう一度
「死にとうない」と繰り返す声、珠が父を抱くまでの間、静かに降り続ける雪。文章だけでは伝えきれない渡部篤郎さんと石橋静河さんの呼吸を、もう一度確かめたい方へ。
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「もう一人の清治」は、なりたかった自分なのか
制作統括の村山峻平さんは、「もう一人の清治」の受け止め方は視聴者に委ねる部分があるとしつつ、清治がなりたかった自分に近づきたくても届かないことを表す演出だったと説明しています。
しかも、この幻影は当初の脚本にはなく、演出と脚本の話し合いから生まれたアイデアでした。
私は、もう一人の清治を「もしも、違う人生を選べていた自分」と受け取りました。
家の跡取りでも、威張る父でも、放蕩者でもない。ただ、自分の手で何かを選び、何者かになれたかもしれない自分。
けれど、その姿には最後まで届かない。だから「何にも」という言葉が残るのでしょう。
雪は「死」だけでなく、残された家族の新春を映していた
あの場面に降る雪も、単なる悲劇の飾りではありません。
制作側は、清治がいなくなったあと、家族が彼をどう受け止めながら次の季節へ向かうかを見せるため、新春前の雪というニュアンスを込めたと説明しています。
父が倒れた場所に、雪が積もる。
やがて景色は白くなり、新しい年が来る。それは忘却ではなく、痛みを抱えたまま季節が進むということです。
朝ドラらしいのは、ここかもしれません。人が亡くなっても、朝は来る。おせちを囲み、子どもたちは外へ出る。悲しみの隣で暮らしが続くことを、『ブラッサム』は冷たくも優しく描きました。
渡部篤郎の演技が「怖い父」を一人の人間に変えた
清治は、視聴者から愛されやすい父親ではありません。
だからこそ難しい役です。弱さを見せすぎれば、それまでの行動への言い訳に見える。横暴さだけを押し出せば、最期の場面が突然の同情誘導に見えてしまう。
渡部さんは、そのぎりぎりの場所に立っていました。
制作統括によると、最期の撮影前には、渡部さんと珠役の石橋静河さんがいつもより時間を取って話し合ったそうです。心が通じているのか、通じていないのか分からない父娘。その距離を二人で確かめたからこそ、抱き合う場面にも簡単な和解ではない空気が残りました。
珠は父を許したから抱いたのでしょうか。
私は、そうではないと思います。
怖かった。憎かった。それでも目の前で崩れていく父を放っておけなかった。名前のつかない感情のまま手を伸ばした。その不器用さが、珠と清治の最後の会話だったように見えました。
清治の死は「父からの解放」で終わらない
第2週の題名は「父からの、解放」。清治の死によって、珠の進路や結婚を直接決める人はいなくなりました。
けれど、本当の解放はここからです。
親がいなくなれば、親の言葉も消えるわけではありません。むしろ問い返せないぶん、胸の中で何度も再生されることがあります。
第3週で珠は代用教員となり、化粧を覚え、初恋を経験します。父が選んだ人生ではなく、自分で選び始める週です。
ただ、その選び方はまだ危うい。自由になったばかりの珠は、自分の気持ちにまっすぐすぎるほどまっすぐ進みます。
清治が最後に見せた「自由になりたかったのに、なれなかった人」の姿は、これからの珠にとって反面教師であり、消えない問いになるのではないでしょうか。
父・清治の最期を受けた珠は、第3週で代用教員となり、初めての恋へ進みます。
👉 『ブラッサム』第2週「父からの、解放」6話〜10話のあらすじと考察
👉 『ブラッサム』第3週「化粧と、初恋」11話〜15話のネタバレ&考察
よくある質問
『ブラッサム』で父・葉野清治を演じる俳優は誰?
渡部篤郎さんです。葉野清治は主人公・珠の父で、葉野酒造の長男でありながら家業を継がず、家族には厳しく接する人物です。
渡部篤郎さんは何歳?
1968年5月5日生まれで、2026年10月時点では58歳です。
渡部篤郎さんは朝ドラに出演したことがある?
『ブラッサム』が連続テレビ小説への初出演です。約40年にわたる俳優活動の中で、初めて朝ドラのヒロインの父親役を演じました。
父・清治は第10回で亡くなった?
はい。第10回では、病に倒れた清治が珠に抱かれながら死への恐怖を吐露し、その後亡くなったことが描かれました。
まとめ|渡部篤郎が残した、忘れにくい父の背中
『ブラッサム』の父親・葉野清治を演じた俳優は渡部篤郎さんです。
渡部さんは2026年10月時点で58歳。長い俳優歴を持ちながら、本作が意外にも朝ドラ初出演でした。
第10回で清治が見せた「死にとうない」という恐怖は、彼を善い父に変えたわけではありません。ただ、悪い父という一枚の札だけでは収まらない、一人の人間の姿を見せました。
父から解放された珠の中に、父の言葉は残る。
花が枝を離れても、育った季節までは消えないように。
渡部篤郎さんが2週間で刻んだ清治の背中は、第3週から始まる珠の新しい人生にも、きっと静かな影を落とし続けるのでしょう。
『ブラッサム』と歴代朝ドラを続けて楽しみたい方へ
第10回だけでなく、清治と珠の距離が形づくられた第1週・第2週から見返すと、最後の抱擁が違って見えてきます。『風、薫る』など過去の朝ドラも含め、Amazonプライム内のNHKオンデマンドで配信状況を確認できます。
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情報ソース
- スターダストプロモーション「渡部篤郎」公式プロフィール
- シネマトゥデイ「朝ドラ『ブラッサム』渡部篤郎演じる清治の壮絶シーンの意図とは?」
- シネマトゥデイ「朝ドラ『ブラッサム』第10回あらすじ」
- ORICON NEWS「『ブラッサム』登場人物・キャスト一覧」
本記事は2026年10月9日時点の公式プロフィール、番組関係者コメント、放送内容をもとに作成しています。人物への評価・場面の意味については筆者の考察を含みます。
月白しずく



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