実写映画『鬼の花嫁』は2026年3月27日公開。永瀬廉さんと吉川愛さんが、鬼の次期当主とその花嫁を演じます。
伊藤健太郎さん、片岡凜さん、兵頭功海さん、白本彩奈さんら主要キャストの役どころに加え、鬼・妖狐・猫又・烏天狗の人物関係を相関図で整理しました。
実写映画『鬼の花嫁』とは?公開日・原作・主題歌を紹介
実写映画『鬼の花嫁』は、クレハさんの同名小説と、富樫じゅんさんが作画を担当するコミカライズを原作とした和風恋愛ファンタジーです。
あやかしと人間が共存する世界で、鬼の一族の次期当主・鬼龍院玲夜と、家族から愛されずに育った女子大学生・東雲柚子の恋が描かれます。
<table> <thead> <tr> <th>項目</th> <th>内容</th> </tr> </thead> <tbody> <tr> <td>作品名</td> <td>映画『鬼の花嫁』</td> </tr> <tr> <td>公開日</td> <td>2026年3月27日</td> </tr> <tr> <td>主演</td> <td>永瀬廉、吉川愛</td> </tr> <tr> <td>監督</td> <td>池田千尋</td> </tr> <tr> <td>脚本</td> <td>濱田真和</td> </tr> <tr> <td>音楽</td> <td>小山絵里奈</td> </tr> <tr> <td>原作</td> <td>クレハ『鬼の花嫁』</td> </tr> <tr> <td>コミカライズ</td> <td>富樫じゅん</td> </tr> <tr> <td>主題歌</td> <td>King & Prince「Waltz for Lily」</td> </tr> <tr> <td>イメージソング</td> <td>由薫「Ray」</td> </tr> <tr> <td>配給</td> <td>松竹</td> </tr> </tbody> </table>
映画公式サイトによると、『鬼の花嫁』シリーズは累計発行部数650万部を突破しています。
原作小説は2020年から刊行され、2021年には電子雑誌「noicomi」でコミカライズが始まりました。「コミックシーモア年間ランキング」の少女コミック編で2022年、2023年の2年連続1位を獲得し、「電子コミック大賞2023」では大賞に選ばれています。松竹+1
監督を務めた池田千尋さんは、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』『40までにしたい10のこと』、映画『君は放課後インソムニア』『九龍ジェネリックロマンス』などを手がけてきました。
日常の中にある小さな視線や、言葉になる前の感情をすくい取ってきた監督です。
そんな池田監督が、運命の相手を本能で見つける華やかな物語を撮る。きらびやかな設定だけで押し切らず、玲夜と柚子が互いを知る時間へ重心を置いた理由も、ここにあるのでしょう。
主題歌は、永瀬廉さんが所属するKing & Princeの「Waltz for Lily」です。
三拍子のリズムと和の雰囲気を取り入れた楽曲で、永瀬さんは映画公式サイトのコメントにおいて、『鬼の花嫁』で描かれる運命の恋をテーマに、大切な人への思いを込めた曲だと説明しています。松竹
タイトルどおり、二人で歩幅を合わせるワルツのような曲です。
一目で花嫁を見つけた玲夜と、すぐにはその運命を受け入れられない柚子。その速度の違う二人が、少しずつ同じリズムへ近づいていく物語にも重なります。
実写映画『鬼の花嫁』キャスト一覧
実写映画『鬼の花嫁』では、永瀬廉さんと吉川愛さんがW主演を務めます。
二人を取り巻くのは、鬼、妖狐、猫又、烏天狗の一族と、それぞれの花嫁です。
<table> <thead> <tr> <th>キャスト</th> <th>役名</th> <th>役どころ</th> </tr> </thead> <tbody> <tr> <td>永瀬廉</td> <td>鬼龍院玲夜</td> <td>鬼の一族の次期当主。柚子を唯一の花嫁として見つける</td> </tr> <tr> <td>吉川愛</td> <td>東雲柚子</td> <td>家族から冷遇されてきた女子大学生。玲夜の花嫁に選ばれる</td> </tr> <tr> <td>伊藤健太郎</td> <td>狐月瑶太</td> <td>妖狐のあやかし。花梨を花嫁として見初めている</td> </tr> <tr> <td>片岡凜</td> <td>東雲花梨</td> <td>柚子の妹。妖狐の花嫁として家族から溺愛されてきた</td> </tr> <tr> <td>兵頭功海</td> <td>荒鬼高道</td> <td>鬼のあやかし。玲夜を支える秘書</td> </tr> <tr> <td>白本彩奈</td> <td>鬼山桜子</td> <td>鬼山家のあやかし。玲夜の元婚約者</td> </tr> <tr> <td>田辺桃子</td> <td>透子</td> <td>柚子の親友。猫又・東吉に選ばれた花嫁</td> </tr> <tr> <td>谷原七音</td> <td>猫田東吉</td> <td>人間に近い親しみやすさを持つ猫又のあやかし</td> </tr> <tr> <td>嶋田久作</td> <td>烏水</td> <td>三大種族の一つ、烏天狗・烏水家の当主</td> </tr> <tr> <td>尾野真千子</td> <td>狐雪撫子</td> <td>三大種族の一つ、妖狐・狐雪家の当主</td> </tr> </tbody> </table>
公式サイトに役名付きで掲載されている主要キャストは以上の10人です。
このほか、尾美としのりさん、眞島秀和さん、陽月華さん、橋本淳さんも出演していますが、映画公式サイトのキャスト欄では役名が明記されていません。確認できない役名を推測で埋めるより、ここは「未公表」としておくのが正確です。松竹+1
実写映画『鬼の花嫁』の人物相関図
物語の中心にいるのは、玲夜と柚子、瑶太と花梨、東吉と透子という三組の「あやかしと花嫁」です。
さらに、玲夜の元婚約者・桜子や秘書・高道、あやかし社会を統率する烏水と撫子が関わります。
恋愛・花嫁関係の相関図
鬼龍院玲夜(鬼の次期当主)
↓ 生涯ただ一人の花嫁として見つける
東雲柚子(女子大学生)
狐月瑶太(妖狐)
↓ 花嫁として見初める
東雲花梨(柚子の妹)
猫田東吉(猫又)
↓ 花嫁として見初める
透子(柚子の親友)
鬼龍院家をめぐる人物相関図
鬼龍院玲夜
├─秘書・側近→ 荒鬼高道
├─元婚約者→ 鬼山桜子
└─唯一の花嫁→ 東雲柚子
鬼山桜子
└─鬼龍院家に次ぐ筆頭分家・鬼山家のあやかし
東雲姉妹と妖狐の関係
東雲柚子
└─姉妹→ 東雲花梨
東雲花梨
├─妖狐の花嫁として両親から溺愛される
└─婚約者→ 狐月瑶太
狐月瑶太
└─仕える一族の当主→ 狐雪撫子
あやかし三大種族の関係
- 鬼の一族:鬼龍院玲夜が次期当主
- 妖狐の一族:狐雪撫子が狐雪家当主、狐月瑶太も妖狐に属する
- 烏天狗の一族:烏水が烏水家当主
この相関図で重要なのは、玲夜と瑶太が同じように人間の花嫁を選びながら、所属する種族と社会的な立場が異なる点です。
鬼はあやかしの頂点に立つ存在。その玲夜に柚子が選ばれたことで、妖狐の花嫁として家庭の中心にいた花梨の立場が揺らぎます。
つまり、玲夜と柚子の恋を阻むものは、恋のライバルだけではありません。
姉妹間につくられた順位、あやかしの種族差、家同士の力関係、花嫁の格という複数の線が絡んでいます。恋愛相関図を見ていたはずなのに、気づけば一族の勢力図まで必要になる。和風ファンタジーの屋敷は美しいのですが、人間関係まで静かとは限りません。

永瀬廉が演じる鬼龍院玲夜の役どころ
永瀬廉さんが演じる鬼龍院玲夜は、あやかしの頂点に立つ鬼の一族の次期当主です。
類いまれな容姿と能力を持ち、周囲からは崇高な存在として見られていますが、生まれたときから一族の未来を背負ってきた孤独も抱えています。
玲夜と柚子の関係
『鬼の花嫁』の世界では、あやかしが人間の中から生涯に一人だけの花嫁を見つけることがあります。
あやかしは、一度見初めた花嫁だけに生涯愛を捧げます。なかでも鬼の花嫁に選ばれることは、あやかし社会における最高の名誉です。
玲夜は街で柚子と出会い、彼女が自分の花嫁だと本能的に悟ります。
しかし、柚子は家族から長く否定されてきた女性です。突然、最も強い鬼から大切な存在だと告げられても、すぐに信じられるはずがありません。
玲夜にとって柚子は、見つけた瞬間から唯一の花嫁。
柚子にとって玲夜は、まだ名前も心も十分に知らない相手です。
この感情の速度差が、本作の恋を動かします。
玲夜の愛は最初から完成しているように見えますが、実際には「愛している」と「相手の意思を尊重する」の間を学んでいく人物でもあります。
永瀬廉は玲夜の「重めの愛」をどう演じた?
映画公式サイトに掲載された出演発表時のコメントで、永瀬廉さんは、玲夜が柚子へ向ける少し重めの愛をどの程度表現するか、池田千尋監督と探りながら撮影したと明かしています。
また、本作について、これほど真っすぐなラブストーリーで主演を務めるのは初めてだと説明しました。映画公式サイトでも「本格ラブストーリー映画初主演」と紹介されています。松竹
ここからは、映画を鑑賞した私の解釈です。
永瀬さんの玲夜は、感情を激しく表へ出すというより、姿勢と声の落ち着きによって次期当主の重責を見せています。
柚子へ向ける愛情も、甘い言葉の量だけではなく、傷ついた彼女の話を聞き、安心できる場所を用意しようとする行動に表れていました。
玲夜は圧倒的な力を持っています。
それでも、柚子を自分のそばへ置くことが本当に彼女の幸せなのかという迷いは、力だけでは解決できません。
愛が重い。確かに重い。
けれど、その重さを相手へ押しつけるのか、自分の中で引き受けながら相手の答えを待つのか。本作では、その違いが玲夜の成長として描かれているように感じました。
吉川愛が演じる東雲柚子の役どころ
吉川愛さんが演じる東雲柚子は、妖狐の花嫁に選ばれた妹・花梨と比較され、家族から愛されずに育った女子大学生です。
玲夜と出会ったことで立場は大きく変わりますが、鬼の花嫁になった瞬間に心の傷まで消えるわけではありません。
柚子はなぜ玲夜の愛をすぐに信じられない?
柚子は、長いあいだ家族の中で自分の気持ちを後回しにしてきました。
理不尽な扱いを受けても、反論するより先に相手の顔色を確かめる。自分が我慢すれば争いを避けられると考えてしまう人物です。
そんな柚子にとって、玲夜から無条件に求められることは、うれしさだけを運ぶ出来事ではありません。
自分が選ばれるはずはないという戸惑いや、玲夜にふさわしくないのではないかという不安も生まれます。
吉川さんは映画公式サイトのコメントで、柚子の儚さだけでなく、悲しい境遇の中にある家族思いな面と芯の強さを、池田監督と話し合いながら演じたと説明しています。松竹
柚子は、ただ守られるだけのヒロインではありません。
傷ついているからこそ慎重で、誰かの強い言葉に流されるのではなく、玲夜が信じられる相手なのかを自分の感覚で確かめていきます。
柚子の成長は花梨に勝つことではない
柚子が鬼の花嫁に選ばれたことで、東雲家の姉妹の社会的な立場は逆転します。
それまで特別扱いされていた花梨よりも、鬼の花嫁となった柚子のほうが、あやかし社会では格上と見なされるからです。
しかし、柚子の物語は妹に勝って終わる話ではありません。
誰かより価値があると証明するのではなく、他人が決めた順位から離れ、自分の人生を自分で選ぶことが彼女の成長です。
ここからも、鑑賞に基づく私の解釈になります。
吉川さんは柚子の変化を、突然強い口調へ変えることで示してはいません。
物語が進むにつれ、自分の思いを途中で引っ込めず、相手へ届けようとする場面が増えていきます。
玲夜に助けられたから人生が完成したのではなく、自分を尊重する相手と出会ったことで、奪われていた選択権を少しずつ取り戻した。
その過程があるからこそ、柚子が玲夜を選ぶことにも重みが生まれています。
伊藤健太郎・片岡凜ら脇役キャストの人物関係
脇役たちは玲夜と柚子の恋をにぎやかにするだけの存在ではありません。
それぞれが「花嫁に選ばれること」「家に属すること」「愛される条件」を、別の角度から見せています。
伊藤健太郎|狐月瑶太役
狐月瑶太は、三大種族の一つである妖狐のあやかしです。
柚子の妹・花梨を唯一の花嫁として選んでおり、花梨とともに玲夜と柚子を引き離そうとします。
伊藤健太郎さんは公式コメントで、現実離れした世界に観客を置き去りにしないよう、一つひとつの場面を丁寧につくったと振り返っています。松竹
瑶太も、玲夜と同じく花嫁を深く愛する人物です。
ただし、玲夜が柚子の意思を理解しようとするのに対し、瑶太の愛は花梨の望みを肯定し続ける方向へ傾きます。
相手を大切にすることと、相手の行動をすべて正しいと認めることは同じではありません。
二人の「あやかしの愛」を比べると、本作が単に愛の強さだけを美化していないことが分かります。
片岡凜|東雲花梨役
東雲花梨は柚子の妹で、瑶太に選ばれた妖狐の花嫁です。
家族から特別な存在として扱われてきましたが、柚子が鬼の花嫁になったことで、自分の価値を奪われたように感じます。
片岡凜さんは公式コメントで、脚本と原作を読んだときから、花梨の一番の理解者でありたいという思いで撮影へ臨んだと語っています。松竹
花梨の行動は柚子を深く傷つけます。
その一方で、彼女自身も「妖狐の花嫁だから愛される」という条件付きの価値観の中で育った人物だと考えられます。
特別でなくなれば、家族の愛まで失うのではないか。
そう恐れているからこそ、柚子の幸せを姉の幸せとして受け止められません。
事情があっても、他人を傷つけた責任が消えるわけではありません。
ただ、姉妹を比較して順位をつけ続けた家庭の問題まで見えてくることで、花梨は単純な悪役では終わらない人物になっています。
兵頭功海|荒鬼高道役
荒鬼高道は、玲夜を支える鬼のあやかしであり、鬼龍院家の秘書です。
兵頭功海さんは公式コメントで、永瀬さんから玲夜のようなオーラを感じ、その隣にいるだけで自然と背筋が伸び、高道として生きられたと振り返っています。松竹
高道は、玲夜が次期当主として信頼を預けられる側近です。
しかし、主従関係の中では共有できない孤独もある。その違いが見えるからこそ、柚子が玲夜の心に占める位置もはっきりします。
白本彩奈|鬼山桜子役
鬼山桜子は、鬼龍院家に次ぐ筆頭分家・鬼山家のあやかしで、玲夜の元婚約者です。
白本彩奈さんは池田監督から、桜子は完璧な人物だと伝えられ、撮影前にさまざまな所作を研究したと公式コメントで明かしています。松竹
桜子は、分かりやすく玲夜を奪おうとする恋敵というより、家同士が決める婚約と、あやかしが本能で選ぶ花嫁の違いを示す存在です。
家柄も知識も備えた桜子を前にすると、柚子は自分より彼女のほうが玲夜にふさわしいのではないかと不安になります。
ここで柚子を追い詰めるのは、桜子の存在そのものだけではありません。
長年否定されてきた記憶が、柚子自身の中で「自分は選ばれるに値しない」という声へ変わっていることが、より苦しく映ります。
田辺桃子|透子役
透子は柚子の大学の友人であり、柚子が安心できる大切な存在です。
同時に、猫又のあやかし・猫田東吉から花嫁として選ばれています。
田辺桃子さんは公式コメントで、友達思いの透子だからこそ言える言葉に注目してほしいと紹介しました。松竹
透子がいることで、柚子の救いが玲夜との恋愛だけに限定されません。
家族とは別の場所で築いた友情があり、肩書に関係なく柚子を一人の友人として見る人がいる。その関係は、柚子が自分の世界を取り戻すうえで欠かせないものです。
谷原七音|猫田東吉役
猫田東吉は、透子を花嫁として見初めた猫又のあやかしです。
谷原七音さんにとって本作が映画初出演となりました。
谷原さんは公式コメントで、東吉を鬼や妖狐よりも人間に近く、親しみやすい猫又だと説明しています。松竹
玲夜と柚子が運命の重さを強く感じさせる組み合わせなのに対し、東吉と透子の関係には比較的やわらかな空気があります。
同じ花嫁制度でも、あやかしの性格によって距離の縮まり方が違う。その幅が、作品世界を恋愛ゲームの一ルートではなく、複数の人生が動く社会として見せています。
嶋田久作|烏水役
烏水は、鬼、妖狐と並ぶ三大種族の一つ、烏天狗・烏水家の当主です。
若い登場人物たちの恋愛から少し離れた位置に立ち、あやかし社会の歴史や格式を感じさせます。
嶋田久作さんは公式コメントで、烏水は神出鬼没で、思わぬところに現れる人物だと紹介しました。松竹
烏水の存在によって、玲夜と柚子の恋が二人だけの問題ではないと分かります。
次期当主の花嫁選びは、一族や種族間の秩序にも影響する出来事です。恋をしている二人の周囲に、静かに政治の気配が立ち上がります。
尾野真千子|狐雪撫子役
狐雪撫子は、妖狐・狐雪家の当主です。
瑶太より上位の立場にあり、妖狐の一族を統率する責任を負っています。
尾野真千子さんは、あやかしを演じるのは本作が初めてで、衣装や特殊なヘアメイクを含めて新鮮な挑戦だったと公式コメントで語っています。松竹
撫子が物語へ持ち込むのは、若い登場人物たちとは異なる「当主の判断」です。
花嫁への愛がどれほど強くても、他人を傷つければ何をしても許されるわけではありません。一族の秩序と責任を背負う撫子がいることで、瑶太の行動も個人的な恋愛問題だけでは済まなくなります。

『鬼の花嫁』キャストが描いた「選ばれること」の意味
ここからは、映画本編と公式設定を踏まえた私の考察です。
本作で興味深いのは、複数の人物が花嫁に選ばれていながら、選ばれることの意味がそれぞれ異なる点でした。
柚子にとって鬼の花嫁になることは、自分にも価値があると知るきっかけです。
一方、花梨にとって妖狐の花嫁という肩書は、自分の価値を支える土台になっています。
柚子は玲夜から大切にされるうちに、花嫁という肩書があるから愛されるのではなく、東雲柚子という一人の人間として見てもらえていることを知っていきます。
対する花梨は、花嫁としての格が下がれば、自分自身への愛情まで失われると恐れる。そのため、肩書へますます執着してしまいます。
この対比があるからこそ、『鬼の花嫁』は姉妹の立場が逆転するだけの物語にはなっていません。
柚子が鬼の花嫁となり、花梨より上に置かれて終わるなら、家族がつくった順位を入れ替えただけです。
けれど柚子が本当に取り戻していくのは、順位の一番上に立つ権利ではありません。
人と比べられる場所から降り、自分で自分の人生を選ぶ権利です。
私はここに、実写版『鬼の花嫁』の現代的な視点があると感じました。
運命に選ばれた女性が幸せになる物語でありながら、最後に必要なのは、運命を受け入れる本人の意思です。
玲夜が柚子を見つけた瞬間だけでは、二人の関係はまだ完成していません。
玲夜は柚子を守り、安全な場所へ連れ出します。
柚子は玲夜の中に、強い鬼や次期当主という肩書だけではなく、責任を一人で背負ってきた男性の孤独を見つけます。
玲夜は柚子へ居場所を与え、柚子は玲夜が役割を脱いでも拒絶されない時間をつくる。
そのため二人は、「救う人」と「救われる人」にきれいに分かれません。異なる方法で、互いの孤独をほどいていく関係です。
池田千尋監督は公式サイトのコメントで、「運命だから恋するのか、恋したから運命なのか」という問いを掲げています。松竹
この問いは、作品の核心に触れています。
玲夜にとって柚子が花嫁であることは、本能によって決められた運命です。
しかし、柚子が玲夜を愛するかどうかは、花嫁という仕組みだけでは決められません。
玲夜が柚子の意思を待ち、柚子が自分の感情で玲夜を選ぶ。
生まれた瞬間から決まっていた運命を、二人がもう一度、自分たちの選択として引き受け直す。そこまで進んで初めて、この恋は対等なものになるのだと思います。
近年の和風恋愛ファンタジーでは、虐げられた女性が高い地位と力を持つ男性に見いだされる構図が多く描かれています。
その型には、傷つけられた主人公が報われる爽快感があります。一方で、男性に選ばれたことだけを女性の幸福の根拠にしてしまう危うさもあります。
『鬼の花嫁』が一歩踏み込んでいるのは、柚子が選ばれるだけでなく、玲夜を知り、自分の意思で彼との未来を選び返すところです。
運命は物語の扉を開きます。
けれど、その扉の先を歩くかどうかは本人が決める。その視点があるから、玲夜の溺愛も柚子の成長も、ただ甘いだけではない余韻を残しました。
まとめ|『鬼の花嫁』はキャストの関係を知るとさらに深く見える
実写映画『鬼の花嫁』は、2026年3月27日に公開された和風恋愛ファンタジーです。
鬼龍院玲夜役を永瀬廉さん、東雲柚子役を吉川愛さんが演じ、二人がW主演を務めました。
狐月瑶太役は伊藤健太郎さん、東雲花梨役は片岡凜さん。玲夜の秘書・荒鬼高道を兵頭功海さん、元婚約者・鬼山桜子を白本彩奈さんが演じています。
さらに、柚子の親友・透子役に田辺桃子さん、猫又・猫田東吉役に谷原七音さん、烏天狗の当主・烏水役に嶋田久作さん、妖狐の当主・狐雪撫子役に尾野真千子さんが名を連ねました。
監督は池田千尋さん、脚本は濱田真和さん。主題歌にはKing & Princeの「Waltz for Lily」が起用されています。
『鬼の花嫁』は、特別な誰かに選ばれれば、それだけで幸せになれるという物語ではありません。
選ばれたあとに相手を知り、自分の意思でもう一度その人を選ぶ。玲夜と柚子の恋は、運命を二人の選択へ変えていく物語です。
舞踏会の光や美しい衣装の奥で、登場人物たちは「自分の価値を誰に決めさせるのか」と向き合っています。
相関図を頭に入れて見直すと、交わされる視線の意味も少し変わるはずです。華やかなワルツが終わったあとにも、二人が選び直した未来は、静かに続いていきます。
よくある質問
実写映画『鬼の花嫁』の公開日はいつ?
実写映画『鬼の花嫁』は、2026年3月27日に公開されました。
2026年10月9日にはBlu-rayとDVDが発売予定です。発売形態や特典などの最新情報は、映画公式サイトや松竹の案内で確認してください。松竹
鬼龍院玲夜と東雲柚子を演じるのは誰?
鬼龍院玲夜役はKing & Princeの永瀬廉さん、東雲柚子役は吉川愛さんです。
二人はW主演として、鬼の一族の次期当主と、その唯一の花嫁に選ばれた女子大学生を演じています。
狐月瑶太と東雲花梨を演じるのは誰?
妖狐のあやかし・狐月瑶太役は伊藤健太郎さんです。
瑶太の花嫁で、柚子の妹でもある東雲花梨役は片岡凜さんが演じています。
実写映画『鬼の花嫁』の原作は?
原作はクレハさんによる小説『鬼の花嫁』です。
2021年からは、富樫じゅんさんの作画によるコミカライズも電子雑誌「noicomi」で連載されています。
実写映画『鬼の花嫁』の監督と主題歌は?
監督は池田千尋さん、脚本は濱田真和さんです。
主題歌はKing & Princeの「Waltz for Lily」、イメージソングは由薫さんの「Ray」です。



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