映画『鬼の花嫁』の主題歌は、King & Princeの「Waltz for Lily」です。和の響きを取り入れた三拍子のラブソングが、玲夜と柚子の「運命から始まり、自分たちで選び取る愛」をエンドロールまで描きます。
永瀬廉さんと髙橋海人さんは、映画の世界観や登場人物の感情を踏まえて楽曲を制作しました。この記事では、発売日や制作陣、タイトルに込められた思い、映画を観たあとに曲の印象が変わる理由まで整理します。
映画『鬼の花嫁』の主題歌はKing & Prince「Waltz for Lily」
映画『鬼の花嫁』の主題歌を担当したのは、永瀬廉さんと髙橋海人さんによるKing & Princeです。
曲名は「Waltz for Lily(ワルツ・フォー・リリー)」。2026年3月25日にKing & Princeの18枚目のシングルとして発売され、同年3月27日に全国公開された映画『鬼の花嫁』のエンドロールを彩りました。
主題歌の決定は、2026年1月23日に映画『鬼の花嫁』公式サイトとユニバーサル ミュージックのKing & Prince公式ページで発表されています。
項目 内容
主題歌 Waltz for Lily
読み方 ワルツ・フォー・リリー
アーティスト King & Prince
作詞 栗原暁(Jazzin’park)
作曲 久保田真悟(Jazzin’park)、栗原暁(Jazzin’park)
編曲 久保田真悟(Jazzin’park)
CD発売日 2026年3月25日
MV公開日 2026年3月23日
映画公開日 2026年3月27日
映画主演 永瀬廉、吉川愛
原作 クレハ『鬼の花嫁』
監督 池田千尋
脚本 濱田真和
音楽 小山絵里奈
配給 松竹
「Waltz for Lily」は、映画のために書き下ろされた楽曲です。
ユニバーサル ミュージックが2026年1月23日に発表した公式情報では、大切な人との出会いを儚くロマンチックに描いた歌詞と、和のエッセンスを加えた大人びたワルツで構成されたラブソングと紹介されています。
曲だけを先に聴くと、優雅で切ない恋愛曲という印象を受けるかもしれません。
けれども映画を観たあとでは、その儚さが玲夜と柚子の抱えてきた孤独に、その華やかさが二人の前に開かれた新しい未来に重なります。
主題歌が作品に雰囲気を添えているというより、映画の中で言葉にならなかった感情を、エンドロールでもう一度受け取らせてくれる。そこが「Waltz for Lily」の大きな魅力です。
「Waltz for Lily」はどんな曲?和の要素を取り入れた三拍子のラブソング
「Waltz for Lily」は、和のエッセンスと西洋のワルツを組み合わせた、美しくも切実なラブソングです。
映画『鬼の花嫁』公式サイトに掲載されたKing & Princeのコメントでは、永瀬廉さんが「運命の恋」をテーマに、大切な人への思いを込めた楽曲だと説明しています。
永瀬さんは、作品が持つ和のテイストとのつながりを意識しながらも、和風だけに寄りすぎない、洗練されたバランスのアレンジを気に入っているとコメントしました。
さらに、永瀬さんと髙橋さんの歌声が重なることで生まれた儚さや、タイトルにもつながる三拍子にも注目してほしいと語っています。
髙橋海人さんは、映画のビジュアルや世界観を共有してもらいながら、美しく大人びた華やかさと儚さを目指して制作したと説明しました。
髙橋さんが表現した「ロマンチックで切実なワルツ」という言葉は、この曲の性格をとてもよく表しています。
ロマンチックなのに、ただ幸福なだけではない。
大切な人と出会えた喜びの奥に、その人を失うかもしれない不安や、自分が愛されることを信じきれない痛みが残っています。
だからこそ、玲夜の強い愛情にも、柚子がすぐに身を委ねられない理由にも、この曲は無理なく寄り添えるのでしょう。
一般的な社交ワルツの三拍子が二人の距離を表す
一般的な社交ワルツは、二人が互いの動きや呼吸を感じながら踊ります。
一方だけが自分の速さで進めば、きれいな一つの踊りにはなりません。相手の足元を見て、距離を測り、歩幅を合わせる必要があります。
この性質は、映画で描かれる玲夜と柚子の関係によく似ています。
鬼の一族の次期当主である鬼龍院玲夜は、東雲柚子と出会った瞬間、彼女を自分の唯一の花嫁だと見いだします。
しかし、妖狐の花嫁となった妹・花梨と比較され、家族から愛されずに育った柚子は、突然差し出された強い愛情をすぐには信じられません。
玲夜にとっては疑いようのない運命でも、柚子にとっては、これまでの人生を覆すほど大きく、少し怖い出来事でもあります。
そのため二人の関係には、玲夜が柚子の心を置き去りにせず、彼女が自分の意思で一歩を踏み出せるまで待つ時間が必要でした。
映画公式サイトの物語紹介でも、柚子は玲夜の不器用な優しさや誠実さに少しずつ惹かれ、玲夜もまた、背負ってきた重責と孤独を柚子によって癒やされていくと説明されています。
つまり、守る側と守られる側だけの恋ではありません。
玲夜が柚子へ居場所を渡し、柚子も玲夜に一人で重責を抱えなくてよい場所を渡していく。二人が互いの歩幅を確かめるからこそ、物語は一方的な救済ではなくなります。
和と洋の音が人間とあやかしの出会いに重なる
映画『鬼の花嫁』は、あやかしと人間が共存する世界を舞台にした和風恋愛ファンタジーです。
そこへ、西洋の舞曲であるワルツが組み合わされました。
和と洋という異なる要素が、どちらかを消すことなく一つの楽曲になっている。この音楽的な構造は、人間の柚子と鬼のあやかしである玲夜の関係にも通じます。
二人は生まれた場所も、背負ってきた立場も違います。
玲夜は、あやかしの頂点に立つ鬼の次期当主。一族から期待され、強さと責任を求められてきました。
柚子は、家族から十分な愛情を与えられず、自分の価値を低く見積もることに慣れてしまった人間です。
違う世界に生きてきた二人が、相手を自分と同じ形へ変えるのではなく、違いを残したまま同じ未来を選ぼうとする。
「Waltz for Lily」の和と洋が溶け合う音には、その関係が先回りして表現されているように感じます。

「Waltz for Lily」のタイトルに込められた意味とは?
「Waltz for Lily」には、『鬼の花嫁』で描かれる運命の恋と、大切な人への思いが込められています。
ここで注意したいのは、公式情報では「Lily」という単語そのものを「大切な人」と翻訳しているわけではない点です。
映画公式サイトに掲載された永瀬廉さんのコメントでは、『鬼の花嫁』で描かれる運命の恋をテーマに、大切な人への思いを込めた楽曲だと説明されています。
そのためタイトルは、単純に「百合の花のためのワルツ」と直訳するよりも、玲夜と柚子が互いを大切な存在として見つけていく物語と結びつけて受け取るのが自然でしょう。
映画の中で、玲夜は出会った瞬間から柚子を花嫁として求めます。
あやかしにとって花嫁は唯一無二であり、一度見初めれば生涯その相手だけに愛を捧げる存在です。
ただし、映画が描いているのは「選ばれたから幸せになりました」という単純なシンデレラストーリーではありません。
柚子は、玲夜から与えられる愛を受け入れるだけでなく、自分が玲夜の隣に立つ未来を選ぼうとします。
玲夜もまた、花嫁を守るという本能だけで行動するのではありません。柚子の不安や意思に向き合い、一人の人間として彼女を知ろうとします。
ここからは、映画と公式コメントを踏まえた私の考察です。
「Waltz for Lily」というタイトルにある「for」には、誰かへ捧げる方向性があります。
けれども、この曲が向かう先は玲夜から柚子への一方向だけではないように思えます。
柚子にとって玲夜は、自分を否定せず、何度でも大切にすると伝えてくれる人です。
玲夜にとっても柚子は、鬼の次期当主という立場の奥にある孤独を見つめ、自分が帰れる場所をつくってくれる人になっていきます。
二人とも、相手から救われるだけではありません。
大切にされることで、自分も相手を大切にする力を取り戻していく。その相互性があるからこそ、「Waltz for Lily」は誰かを一方的に守る歌ではなく、二人で関係を育てる歌として響きます。
主題歌特別映像とMVでは何が描かれている?
映画『鬼の花嫁』の主題歌特別映像は、2026年2月3日に映画公式サイトと公式YouTubeで公開されました。
映画公式サイトはこの映像について、玲夜を「愛を知らない鬼」、柚子を「愛に見放された人間」と表現しています。
あやかしの頂点に立ちながら、一族の重責を一人で抱えてきた玲夜。
家族から愛されず、絶望の中にいた柚子。
置かれている立場は正反対ですが、心から自分を見つめてくれる相手を知らなかったという点では、二人は似た孤独を抱えています。
特別映像では、二人が運命に引き寄せられるように出会う場面だけでなく、ともに過ごす日々の中で少しずつ心の距離を縮めていく姿も切り取られました。
映画公式サイトは、King & Princeの歌声を「力強い優しさを感じさせる甘美な歌声」と表現し、和のエッセンスを加えたワルツが二人の姿をドラマチックに演出していると紹介しています。
ここで注目したいのは、特別映像が大きな事件や派手な救出だけを並べていないことです。
同じ場所で穏やかな時間を過ごし、緊張を解き、相手の温もりを受け入れていく場面が、「Waltz for Lily」とともに置かれています。
愛された経験の少ない柚子に必要なのは、一度だけ劇的に救われることではありません。
不安を見せても拒まれなかったこと。
言葉に詰まっても、玲夜がそばにいたこと。
その小さな安心が積み重なることで、柚子の中にある「自分は愛されない」という記憶が少しずつ書き換えられていきます。
楽曲の優雅さの中に切実さが残っているのは、二人の恋が華やかな運命だけでは完成しないことを知っているからなのでしょう。
MVは映画の再現ではなく楽曲の感情を映像化
「Waltz for Lily」のミュージックビデオは、2026年3月23日20時にKing & Prince公式YouTubeでプレミア公開されました。
公開日時は、ユニバーサル ミュージックが2026年3月20日に発表しています。
MVでは花を印象的なモチーフにしながら、楽曲が持つ華やかさと儚さを、King & Princeの歌声や表情、動きによって表現しています。
映画の玲夜と柚子をそのまま再現する構成ではありません。
映画では、二人が背負った過去や関係の変化を通して曲を受け取ります。一方、MVでは具体的な物語から少し離れ、楽曲に含まれる切実さや美しさを、二人のパフォーマンスから読み取ることになります。
同じ一曲でありながら、映画では登場人物の感情として、MVではKing & Princeの表現として味わえるわけです。
主題歌を聴き、特別映像を見て、映画を観て、もう一度MVへ戻る。
すると最初には気づかなかった声の重なりや表情が気になってきます。一度確認するだけのつもりが、再生回数だけが静かに増えていく。主題歌とは、なかなか予定どおりに聴かせてくれません。

映画公開後に「Waltz for Lily」の印象はどう変わる?
映画を観る前と観たあとでは、「Waltz for Lily」の聞こえ方が変わります。
鑑賞前には、運命的な出会いを描いた華やかで儚いラブソングとして受け取れるでしょう。
鑑賞後には、柚子が自分の価値を取り戻すまでの時間や、玲夜が孤独から解放されていく過程まで含んだ歌に聞こえてきます。
2026年4月8日に行われた「鬼ヒット御礼舞台挨拶」では、映画を観た観客から寄せられた感想が会場に掲示されました。
永瀬廉さんが選んだのは、エンドロールで流れる「Waltz for Lily」に涙し、曲までが作品のように感じたという趣旨の感想です。
これに対して永瀬さんは、作品に合うよう和の要素や歌詞の内容、曲の構成まで髙橋海人さんと一緒に考えて制作したため、そう受け取ってもらえたことがうれしいと話しました。
この発言は映画公式サイトの2026年4月8日付オフィシャルレポートに掲載されています。誰のどこでの発言かが確認できる、主題歌と映画の関係を示す大切な証言です。
また同イベントでは、「シンデレラストーリーでありながら、柚子がただ受け入れるのではなく、自ら選んでいたところがよかった」という趣旨の観客の感想も紹介されました。
吉川愛さんは、柚子を芯の強い女性として演じたいと考えていたため、その部分を感じ取ってもらえたことがうれしいと語っています。
この二つの感想は、別々に見えて深くつながっています。
「Waltz for Lily」が描いているのは、玲夜が柚子を選んだ瞬間だけではありません。
玲夜から大切にされた柚子が、自分もこの人のそばにいたいと決める。その選択まで曲の中に感じられるからこそ、エンドロールが物語の続きになるのでしょう。
主題歌から読み解く『鬼の花嫁』の愛の形
ここからは、公式情報と映画の物語を踏まえた私自身の考察です。
『鬼の花嫁』では、玲夜と柚子の出会いが運命として描かれます。
あやかしは、人間の中から唯一無二の花嫁を見つけ、一度見初めた相手へ生涯愛を捧げます。玲夜も柚子を見た瞬間、彼女が自分の花嫁だと確信しました。
しかし、運命が保証してくれるのは、出会いまでなのだと思います。
柚子が玲夜の愛を信じられるようになるまでには、言葉と行動、そして時間が必要です。
玲夜にとって柚子が唯一無二でも、柚子自身が玲夜の隣に立つことを望まなければ、二人の未来は完成しません。
池田千尋監督も映画公式サイトのコメントで、「運命だから恋するのか、恋したから運命なのか」と問いかけています。
この問いは、主題歌がワルツである意味にもつながります。
玲夜が自分の速さだけで柚子を導けば、それは二人の踊りではなくなってしまいます。
玲夜が柚子の怖さを理解して待ち、柚子も誰かに決められた花嫁としてではなく、自分の意思で玲夜の手を取る。
そのとき、運命によって始まった関係は、二人が選び直した愛へ変わります。
さらに、玲夜と柚子の関係は「強い男性が傷ついた女性を救う」という一方向だけでは説明できません。
玲夜は力や地位を持ちながら、一族の未来を背負う孤独を抱えています。
柚子は玲夜に守られる一方で、玲夜が弱さを見せられる場所にもなっていきます。
二人は互いに不足を埋める部品ではありません。
相手と出会ったことで、自分の人生を自分で選べるようになる。その変化を描いているから、『鬼の花嫁』の恋は運命という設定を使いながら、最後には人の意思へたどり着きます。
「Waltz for Lily」の三拍子も、ただ優雅な雰囲気をつくるためのものではないのでしょう。
違う世界から来た二人が、何度も相手の歩幅を確かめ、ようやく同じ方向へ進み始める。その関係の変化を、音楽が先に踊って見せているように感じます。
よくある質問
映画『鬼の花嫁』の主題歌は誰が歌っていますか?
映画『鬼の花嫁』の主題歌は、King & Princeが歌う「Waltz for Lily」です。
映画で鬼龍院玲夜を演じる永瀬廉さんと、髙橋海人さんの二人で歌っています。
「Waltz for Lily」はいつ発売されましたか?
CDは、2026年3月25日にKing & Princeの18枚目のシングルとして発売されました。
ミュージックビデオは、CD発売に先駆けて2026年3月23日20時に公開されています。
「Lily」にはどのような意味が込められていますか?
公式は「Lily」を日本語の特定の単語に置き換えて説明していません。
一方で永瀬廉さんは、『鬼の花嫁』の「運命の恋」をテーマに、大切な人への思いを込めた楽曲だとコメントしています。
主題歌は映画のために作られた曲ですか?
はい。「Waltz for Lily」は、映画『鬼の花嫁』のために書き下ろされた楽曲です。
映画の和風ファンタジーの世界観や、玲夜と柚子の運命的な出会いを踏まえて制作されました。
映画『鬼の花嫁』には別の楽曲も使われていますか?
主題歌はKing & Princeの「Waltz for Lily」です。
このほか、由薫さんの「Ray」が映画のイメージソングとして起用されています。主題歌とイメージソングは役割が異なるため、混同しないようにしましょう。
まとめ|「Waltz for Lily」は運命を二人の意思へ変える歌
映画『鬼の花嫁』の主題歌は、King & Princeの「Waltz for Lily」です。
2026年3月25日に18枚目のシングルとして発売され、3月27日に公開された映画のエンドロールで流れます。
- 映画『鬼の花嫁』のために書き下ろされた楽曲
- 和のエッセンスを取り入れた大人びた三拍子のラブソング
- 作詞は栗原暁さん
- 作曲は久保田真悟さんと栗原暁さん
- 編曲は久保田真悟さん
- 大切な人との出会いと、運命の恋をテーマにしている
- 2026年2月3日に主題歌特別映像が公開
- 2026年3月23日にミュージックビデオが公開
玲夜と柚子は、運命によって出会いました。
けれども、二人の心まで最初から同じ速さで進んでいたわけではありません。
玲夜が柚子の歩幅を見ながら待ち、柚子が自分の意思で玲夜の手を取る。その瞬間、与えられた運命は、二人が選んだ未来へ変わります。
本編が終わっても、エンドロールでは三拍子が続いています。
それはきっと、玲夜と柚子の物語が終わった音ではなく、ようやく二人の歩幅が重なり始めた音なのでしょう。



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