PR

九条の大罪のあらすじをわかりやすく解説!ドラマを見る前に知りたい物語の流れ

薄暗い法律事務所で向かい合う九条間人と烏丸真司、机上に六法全書と事件資料が置かれた緊張感のある場面 ドラマ
記事内に広告が含まれています。

Netflixドラマ『九条の大罪』の最終回では、烏丸が九条法律事務所を去り、九条は一人で危険な弁護を続ける道を選びます。一方、壬生・犬飼・京極をめぐる争いは決着せず、さらなる暴力を予感させる結末となりました。

この記事では、全10話で起きた事件を各話ごとに整理し、九条と烏丸が最後に別れた理由、犬飼が拉致した人物の正体、続編へ残された伏線まで詳しく解説します。ここから先は最終回を含む重大なネタバレがあります。

『九条の大罪』とは?全10話の基本情報と結末

『九条の大罪』は、『闇金ウシジマくん』で知られる真鍋昌平さんの同名漫画を原作としたNetflixシリーズです。

2026年4月2日に全10話が世界独占配信され、主人公の弁護士・九条間人を柳楽優弥さん、九条法律事務所で働く烏丸真司を松村北斗さんが演じています。Netflixは本作を、法とモラルの境界へ切り込むクライムエンターテインメントとして発表しました。

原作漫画は2020年10月から『ビッグコミックスピリッツ』で連載されています。

Netflixの制作発表時点では累計発行部数400万部超と紹介されており、単行本はドラマ配信日と同じ2026年4月2日に第16巻が発売されました。

物語の中心となる九条は、依頼人が善人か悪人かで仕事を選びません。

ひき逃げ犯、半グレ、ヤクザであっても、依頼を引き受けた以上は法律の範囲内で権利を守ろうとします。その姿勢から世間には悪徳弁護士と呼ばれていますが、九条は弁解も善人のふりもしません。

対する烏丸は、東大法学部を首席で卒業し、大手法律事務所に勤めていたエリート弁護士です。

依頼人の刑事処分だけでなく、事件後に残される被害者や家族、依頼人自身の生活まで見ようとする烏丸は、九条の割り切った仕事に反発します。

二人は事件を重ねるうちに互いの考え方を理解し始めますが、最終回では同じ道を歩き続けることができなくなります。

烏丸は九条法律事務所を退職し、九条は烏丸を危険な世界から遠ざけるように別れを告げます。

ただし、九条が逮捕されたり、弁護士資格を失ったりして物語が終わるわけではありません。

九条は弁護士を続け、烏丸は別の事務所へ移ります。そして壬生と京極の対立、犬飼による拉致事件、嵐山が追う10年前の事件はいずれも未解決のまま残されました。

『九条の大罪』全10話のタイトルと事件一覧

ドラマは数話ごとに一つの事件を描きながら、九条と裏社会との関係、烏丸の過去、嵐山刑事が追う事件を少しずつ結び付けていきます。

第9話の正式タイトルは「事件の真相 2」です。公式の全話一覧では第9話の掲載が抜けていますが、配信内容では第8話から続く後編として描かれています。

話数 エピソード名 主な事件・展開
第1話 片足の値段 親子を巻き込んだひき逃げ事件
第2話 弱者の一分 金本に支配される曽我部の事件
第3話 弱者の一分 2 曽我部が負の連鎖を断つ決断
第4話 家族の距離 介護施設「輝幸」の遺産詐取
第5話 家族の距離 2 不正の証拠公開と壬生の過去
第6話 消費の産物 笠置雫と映像制作会社をめぐる問題
第7話 消費の産物 2 雫が搾取され、殺人事件へ至る
第8話 事件の真相 嵐山の娘が巻き込まれた10年前の事件
第9話 事件の真相 2 小山の逮捕と犬飼の出所
第10話 暴力の連鎖 烏丸の離脱と京極の息子の拉致

Netflixおよび公開されている各話情報では、第1話から第8話、第10話までのタイトルと概要が確認できます。第10話は、烏丸が九条との関係を見つめ直す一方、犬飼の行動が壬生と京極を危険な事態へ引きずり込む最終話です。

ここからは、誰が何をし、事件がどのような結果を迎えたのかを順番に見ていきます。

第1話「片足の値段」ネタバレ|ひき逃げ犯に執行猶予がつく

第1話で九条が引き受けるのは、壬生憲剛から持ち込まれたひき逃げ事件です。

事故に巻き込まれた父親は亡くなり、一緒にいた子どもは片足を失いました。被害の大きさを前にすれば、加害者へ重い処罰を望むのは自然でしょう。

九条法律事務所へ入ったばかりの烏丸も、被害者遺族の苦しみより加害者に有利な材料を探す九条へ強い抵抗を覚えます。

それでも九条は、世間の怒りと刑事責任を切り分けました。

事故前の被害者の健康状態、事故と死亡との因果関係、加害者へ法的にどこまで責任を問えるのかを調べ、依頼人に執行猶予をもたらします。

被害者家族にとっては、受け入れ難い結果です。

ただし九条は、被害者側を完全に放置していたわけではありません。犯罪者の更生支援に携わる薬師前仁美を通じ、被害者家族が保険会社と争うための弁護士へつながる道を用意していました。

九条が担当したのは、あくまで加害者側の刑事弁護です。

自分の依頼人を守りながら、同時に代理できない被害者側には別の支援者をつなぐ。この行動から見えるのは、優しさを言葉にしない九条なりの線引きでした。

私はこの第1話で、九条を好きになれるかどうかより、簡単には嫌い切れない人物だと感じました。

被害者へ共感を示せば、見ている側は少し安心できます。九条はその安心を与えず、弁護士として何をするべきかだけを突き詰める。その冷たさが、本作の入口になっています。

第2話・第3話「弱者の一分」ネタバレ|曽我部は金本の支配を断てるのか

第2話と第3話では、金本卓に長年支配されてきた曽我部聡太の事件が描かれます。

曽我部は過去にも金本の罪を被り、服役していました。出所後も関係を切れず、再び違法な仕事へ利用されます。

二人の上下関係は、大人になって突然始まったものではありません。

父親同士の関係まで影を落としており、曽我部は幼い頃から、自分は金本へ逆らえない人間だと思い込まされていました。逃げる勇気がなかったというより、逃げられる人生を知らなかったのです。

薬物事件が発覚すると、烏丸は曽我部に真実を話させ、金本を告発させようとします。

ところが九条は、金本の罪を明らかにするだけでは曽我部を守れないと考えました。曽我部が同じ生活圏へ戻れば、告発への報復を受ける可能性があるからです。

九条は刑事手続の中で被害を抑える方法を探し、烏丸は出所後の居場所をつくろうと動きます。

烏丸は曽我部の父親にも会い、息子をもう一度受け入れてほしいと訴えました。最終的に曽我部は、金本に従い続けるだけの人生から抜け出す決意を固めます。

この事件の重さは、曽我部を単なる共犯者として切り捨てなかった点にあります。

犯罪へ関わった責任は消えません。それでも、支配され続けた人が自分の意思を取り戻すには、正しい答えを教えるだけでは足りない。戻らずに済む場所まで用意しなければ、同じ関係へ引き戻されてしまいます。

※画像はAIによるイメージ

第4話・第5話「家族の距離」ネタバレ|介護施設「輝幸」の4億円詐取

第4話と第5話では、介護施設「輝幸」で行われていた詐欺と強要が明らかになります。

依頼人の家守華江は、認知症だった父親の遺産4億円が施設へ全額寄付されたことを不審に思い、九条へ相談しました。

施設を経営する菅原遼馬は、高齢者を支える事業者として振る舞っています。

しかし施設の内部では、入居者の判断能力や家族との距離につけ込み、財産を施設側へ移す仕組みがつくられていました。

菅原側の弁護士・山城祐蔵は、九条のかつての恩師です。

法律を現実の中で使う方法を九条へ教えた人物でしたが、今では施設の不正を守る側に立っていました。弟子だった九条が、師の暴走を止めなければならなくなります。

九条は法廷で主張するだけでなく、施設内部の情報と映像を使い、外部の目が入る状況をつくりました。

認知症の家守の父へ暴力を加えながら遺言を書かせる様子が記録されており、山城と菅原は言い逃れできなくなります。その結果、家守側への4億円の返還が認められました。

ただし九条が不正を崩せた背景には、壬生の情報網があります。

正しい目的のために裏社会の力を借りれば、そこには必ず借りが残る。この事件は家守の財産を取り戻す一方、九条が壬生や伏見組の世界へ近づく転機にもなりました。

家守が本当に取り戻したかったものは、お金だけではなかったのでしょう。

父親の最期に自分は何をしていたのか。もっと会いに行けたのではないか。その後悔は、4億円が戻っても消えません。

人は、ときに財産の問題へ怒りを集中させることで、答えのない悲しみから自分を守ります。「家族の距離」という題名には、お金では測れない隔たりまで含まれていたように思えました。

第6話・第7話「消費の産物」ネタバレ|笠置雫が殺人へ追い込まれる

第6話と第7話では、映像業界に居場所を求めた笠置雫が、家族や恋人に利用されていく過程が描かれます。

九条は伏見組の若頭・京極清志につながる依頼として、制作会社社長・小山義昭の弁護を担当します。

事件を通して再会するのが、九条の大学時代の同期で、人権問題に取り組む弁護士・亀岡麗子です。

亀岡は業界に存在する搾取を社会問題として捉え、女性たちを救おうとします。

しかし雫は、自分が選んだ仕事を一方的に被害と決めつけられたように感じます。正しい支援の言葉が、当事者にとっては自分の人生を否定する言葉に聞こえてしまったのです。

雫は両親の都合によって仕事を続けられなくなり、頼っていた中谷修斗からも利用されます。

修斗は雫を守るどころか、彼女の弱さと孤独につけ込み、別の仕事へ追いやりました。収入も居場所も失った雫は、精神的に追い詰められていきます。

そして第7話で、雫は修斗を殺害します。

この事件には、分かりやすい一人の悪人だけがいるわけではありません。

娘の意思より自分たちの都合を優先する両親、愛情を装って搾取する修斗、価値がある間だけ雫を必要とする周囲。その小さな裏切りが何度も重なり、彼女から逃げ道を奪いました。

九条は雫へ、人生をやり直せると軽々しく約束しません。

壊れた言葉をきれいな物語へ直さず、殺人を犯した依頼人として向き合います。その態度は冷たく見えながら、雫を都合のよい被害者へ仕立てない誠実さでもありました。

※画像はAIによるイメージ

第8話「事件の真相」ネタバレ|嵐山が追う10年前の愛美事件

第8話では、刑事・嵐山義信が追い続けてきた10年前の事件が、物語の中心へ浮かび上がります。

嵐山の娘・愛美は、若者たちが関わる事件に巻き込まれて命を落としていました。

犯人は逮捕されたものの、愛美がなぜその場にいたのか、誰が裏で関わっていたのか、事件の全体像は明らかになっていません。

嵐山は、壬生が事件の真相を知っていると疑います。

壬生は当時、事件に関わった少年たちとつながりを持っていました。烏丸は壬生の整備工場を訪れ、10年前の事件へ関与していたのかと問い詰めます。

烏丸が動いた理由は、真相を知りたいからだけではありません。

嵐山の捜査が九条へ近づいていることを察し、九条がさらに裏社会へ巻き込まれる前に止めようとしたのです。公式の第8話紹介でも、烏丸が九条を守るため壬生へ事件への関与を問いただす展開が示されています。

嵐山は刑事ですが、この事件に限っては冷静な捜査官だけではいられません。

真相へ近づこうとする行動には、娘を助けられなかった父親の後悔が混じっています。法を守る側の人間でありながら、法では埋まらない穴を抱え続けている。その姿は、九条とは別の形で正義の危うさを映していました。

第8話の段階では、10年前の事件は解決しません。

ただし愛美の事件、小山の事業、壬生の過去、京極の勢力が無関係ではないことが見え始めます。

第9話「事件の真相 2」ネタバレ|小山逮捕と犬飼の出所

第9話では、嵐山が小山義昭を逮捕し、10年前の愛美事件へ本格的に切り込みます。

小山は名義を貸し、京極をホテルへ滞在させていた件を追及されました。嵐山にとって小山の逮捕は、目の前の容疑を処理するだけでなく、娘の死につながる人物へ近づくための突破口です。

取り調べや接見の中で、小山は亡くなった愛美を傷つけるような言葉を口にします。

娘を失った嵐山が激しい怒りを見せるのは当然として、普段は依頼人の人格と弁護を切り分ける九条まで感情をあらわにしました。

ここは、九条が何を言われても平気な人間ではないと伝わる重要な場面です。

九条は犯罪者を弁護しますが、犯罪や他人への侮辱まで肯定しているわけではありません。依頼人の権利を守ることと、その人物を好きになることは、まったく別なのです。

嵐山は九条に、もし自分の娘が殺されたとしても犯人を弁護できるのかと問いかけます。

九条は簡単には答えられませんでした。

どのような犯罪者にも弁護を受ける権利があるという原則と、自分の大切な人が奪われたときの感情。その二つを同時に抱えられるほど、人はきれいにはできていません。

一方、京極は九条へ、服役中の伏見組組長に関する弁護まで求めます。

烏丸は、九条がすでに一件の依頼を処理する弁護士ではなく、組織を守るための逃げ道として使われ始めていると感じました。二人の関係には、修復しにくい亀裂が入ります。

そして第9話の終盤、犬飼勇人が出所します。

犬飼は10年前の事件をめぐって壬生を恨んでおり、介護施設の不正を暴かれて壬生へ復讐心を抱く菅原と手を組みました。

小山の逮捕が過去を掘り返す動きだとすれば、犬飼の出所は、その過去を現在の暴力へ変える合図でした。

第10話「暴力の連鎖」ネタバレ|烏丸は九条法律事務所を去る

最終回では、九条と烏丸の別れ、犬飼による脅迫、壬生の反撃、京極の息子の拉致が同時に進みます。

烏丸は、ヤクザの弁護へ深入りする九条に対し、このままでは弁護士バッジが飛ぶと警告しました。

ただし、反社会的勢力の人物を弁護しただけで、直ちに弁護士資格を失うわけではありません。

烏丸が恐れているのは、九条が犯罪行為そのものへ関与したと疑われたり、弁護の範囲を越えて組織の活動を助けたりする危険です。現実には、事実関係に応じた捜査や刑事裁判、弁護士会による懲戒手続が必要であり、警告された瞬間に資格がなくなるわけではありません。

そのころ、犬飼と菅原は壬生の仲間・久我を拘束し、壬生に3億円を要求します。

犬飼は10年前の事件の真相を知っていることをにおわせ、それを弱みとして使いました。

ところが壬生は、呼び出される前から相手側の人間へ手を回していました。

犬飼と菅原が用意した脅迫の場を逆に支配し、二人を制圧します。さらに壬生は、二人を殺すのではなく、自分の仲間になれと持ちかけました。

壬生は、自分も京極の犬にすぎないと認めながら、いつかその首輪を外して京極へ返すつもりだと明かします。

ここで壬生は、裏社会から逃げる人間ではなく、自分がより大きな力を持つ側へ進むことを選びました。

ところが、犬飼が別の場所で拉致していた人物の正体が判明します。

拉致され、暴行を受けていたのは京極清志の息子・猛でした。

壬生は相手が猛だと知らないまま、犬飼へ証拠を消すような指示を出してしまいます。

猛が命を落とせば、京極は必ず報復へ動くでしょう。助かったとしても、壬生と犬飼が関わった事実を隠すのは困難です。

こうして10年前の恨みは、壬生と京極の全面的な対立へつながりかねない新たな火種へ変わります。最終回は、この拉致事件を解決しないまま終わりました。

もう一つの大きな結末が、九条と烏丸の別れです。

烏丸は九条法律事務所を辞め、流木の事務所へ移ることを決めます。九条を嫌いになったからではなく、九条の生き方を理解し始めたからこそ、同じ場所へ立ち続けられなくなったのです。

屋上で烏丸は、九条に自分が必要かと尋ねます。

九条の答えは、必要ないというものでした。

烏丸は涙をこらえるように礼を伝え、九条のもとを去ります。

この言葉だけを見れば、九条が烏丸を切り捨てたようにも思えます。

けれど私は、九条が烏丸を必要としていなかったとは思えません。むしろ必要だったからこそ、自分が沈みつつある危険な世界へ烏丸まで連れていくことを拒んだのではないでしょうか。

九条は最後まで、優しい言い方を選びません。

引き止める代わりに傷つけ、離れられる理由を烏丸へ渡す。人を守る方法としてあまりに不器用ですが、それが九条という人物の悲しさでもあります。

最終回で九条は逮捕された?弁護士資格はどうなった?

最終回の時点で、九条は逮捕されていません。

弁護士資格も失っておらず、九条法律事務所で仕事を続ける道を選びます。

ただし九条を取り巻く状況は安全ではありません。

  • 嵐山が森田や小山の捜査を通じて九条へ迫っている
  • 九条と壬生、京極との関係が深くなっている
  • 烏丸が事務所を去り、九条を止める人がいなくなった
  • 京極の息子・猛の拉致が新たな抗争につながる可能性がある

そのため、最終回は九条が破滅した結末ではなく、破滅へ向かいかねない道を承知で歩き続ける結末といえます。

現実の刑事弁護では、日本国憲法第37条3項が刑事被告人の弁護人依頼権を保障し、刑事訴訟法第30条も被告人・被疑者が弁護人を選任できることを定めています。

したがって、犯罪者や反社会的勢力の構成員を弁護する行為そのものは、犯罪への加担ではありません。

一方で、依頼人の証拠隠滅を助ける、犯罪収益の移動へ関与するなど、弁護活動の範囲を越えた行為があれば別の問題になります。

ドラマが描いているのは、犯罪者を弁護してよいかどうかではなく、依頼人の権利を守る弁護士が、その人物の世界へどこまで近づいてよいのかという境界です。

考察|九条と烏丸が別れた本当の理由

九条と烏丸の別れは、正義感のある若者が悪徳弁護士を見限った場面ではありません。

烏丸は九条の仕事を理解できなかったから去ったのではなく、理解できる部分が増えたからこそ離れました。

第1話の烏丸は、被害者へ寄り添わず加害者の刑を軽くする九条に怒っています。

しかし曽我部の事件では、真実を話させるだけでは依頼人が報復される危険があると知りました。雫の事件では、正しい支援の言葉が本人を救うとは限らない現実も見ています。

烏丸は全10話を通して、九条の方法が必要とされる場所を知ってしまいました。

同時に、その方法を続ければ九条自身が裏社会の一部へ組み込まれていくことにも気づきます。

だから烏丸が止めたかったのは、悪徳弁護士としての九条ではありません。

どこまで行っても平気な顔をしながら、自分の傷を見ないまま危険な依頼を引き受け続ける九条でした。

九条も、烏丸の心配を理解していたはずです。

それでも九条は、今の仕事をやめません。

法律は人の権利を守れても、命まで守り切れるとは限らない。弱い人間の命を守るためには、命を脅かす側の世界へも入らなければならない。そこで誰かを救った結果、別の誰かを傷つけるなら、その罪を自分が背負う。

これが最終回で示された九条の覚悟でした。

ただし、その覚悟は誰かを巻き込んでよい理由にはなりません。

九条は烏丸を必要ないと言うことで、自分の覚悟を烏丸へ背負わせることを拒みました。

人を遠ざけることしかできない優しさは、受け取る側にとって優しさには見えません。烏丸の涙は、九条の本音を理解しながら、それでも一緒にいたかった人の涙だったように感じました。

考察|『九条の大罪』の題名が示す「大罪」とは何か

本作の「大罪」は、九条が犯罪者を弁護する行為だけを指しているのではないでしょう。

九条は依頼人の権利を守ることで、被害者側へ残酷な結果を突きつけることがあります。

亀岡は女性を救おうとする正論によって、雫の居場所を否定してしまいます。

嵐山は娘の真相を追う正義によって、捜査対象となる人間へ強い圧力をかけます。

壬生は自分が京極の支配から抜けるため、犬飼と菅原を新たな仲間として暴力の構造へ取り込みます。

誰もが自分なりの理由を持っています。

その理由には理解できる部分があり、同時に誰かを傷つける力もある。善意や正義を持っているからといって、加害する側にならない保証はありません。

私は、『九条の大罪』が最後まで描いたのは、正しさそのものよりも、正しさによって生まれる傷を誰が引き受けるのかという問題だったと思います。

九条は、自分の選択で誰かが傷つくことを知りながら、弁護をやめません。

烏丸は、救える人だけを救うのでは足りないと知りながら、九条と同じやり方を選べません。

嵐山は、真相へ近づくほど刑事として前へ進みますが、父親として救われるとは限りません。

ここには、気持ちよく選べる正解がありません。

だから最終回は、九条を逮捕させることも、烏丸と和解させることも、壬生と京極の争いを終わらせることもしなかったのでしょう。

すべてを解決してしまえば、この作品が描いてきた現実だけが嘘になります。

法律で事件に区切りをつけても、人の恨みや後悔まで同時に終わるわけではない。終わったことにされた痛みが、10年後に別の暴力となって戻ってくる。それを象徴したのが犬飼の出所と猛の拉致でした。

『九条の大罪』続編はある?最終回に残された伏線

最終回は、続編を強く意識させる構成になっています。

特に大きな未解決事項は、次のとおりです。

  • 京極の息子・猛は助かるのか
  • 京極は壬生の関与を知るのか
  • 壬生は本当に京極へ反旗を翻すのか
  • 犬飼と菅原は壬生の仲間になるのか
  • 嵐山は10年前の愛美事件の全容へたどり着けるのか
  • 九条は裏社会との関係を理由に捜査されるのか
  • 烏丸は再び九条と一緒に働くのか

原作漫画はドラマ配信後も続いており、映像化できる物語は残されています。

ただし、続編やシーズン2の制作については、正式発表が出るまでは確定と断言できません。配信状況や制作情報は今後変わる可能性があるため、最新情報はNetflixの公式発表で確認してください。

個人的には、九条と烏丸の再会を単純なバディ復活にはしてほしくありません。

一度離れたからこそ、烏丸は九条とは違う場所で、自分なりの弁護を見つけられるはずです。そのうえで再び同じ事件に立ったとき、二人が相手を止めるのか、支えるのか。そこに本当の続きがあるように思います。

まとめ|『九条の大罪』全10話の結末

『九条の大罪』は、犯罪者も選別せず弁護する九条間人と、その姿勢へ疑問を抱く烏丸真司が、法律では割り切れない事件へ向き合う全10話の社会派ドラマです。

第1話のひき逃げ事件から始まり、金本に支配される曽我部、介護施設「輝幸」の4億円詐取、笠置雫を追い込んだ搾取、嵐山が追う10年前の愛美事件へと物語がつながりました。

第9話では小山が逮捕され、犬飼が出所します。

最終回では犬飼と菅原が壬生を脅しますが、壬生は二人を逆に制圧し、自分の側へ取り込もうとしました。

一方、犬飼が拉致していた人物は京極の息子・猛だと判明します。

この事件は解決せず、壬生と京極の対立が激化する可能性を残しました。

九条と烏丸も別々の道を選びます。

烏丸は九条法律事務所を辞め、九条は危険な依頼を一人で引き受け続ける覚悟を示しました。

二人は理解し合えなかったから別れたのではありません。

理解し合い始めたからこそ、相手へ同じ生き方を強いることができなくなったのです。

事件が解決すれば、法律上は一区切りつきます。

それでも、被害者の悲しみも、加害者を生んだ支配も、家族が抱えた後悔も消えません。

『九条の大罪』が最後に残した重さは、答えを出せなかった弱さではなく、簡単な答えで人間を片づけなかった誠実さだったと私は感じました。

よくある質問

『九条の大罪』最終回で九条は逮捕されますか?

九条は逮捕されていません。弁護士資格も失っておらず、烏丸が去った九条法律事務所で仕事を続けます。ただし、嵐山の捜査や裏社会との関係により、今後追及される可能性を残しています。

九条と烏丸は最終回でどうなりますか?

烏丸は九条法律事務所を辞め、流木の事務所へ移ります。屋上で烏丸が自分を必要としているか尋ねると、九条は必要ないと答え、二人は別々の道を歩くことになりました。

犬飼が拉致した人物は誰ですか?

犬飼が拉致していたのは、伏見組若頭・京極清志の息子である京極猛です。壬生は相手が猛だと知らずに証拠隠滅へつながる指示を出しており、京極との対立を招く危険が残りました。

『九条の大罪』の第9話タイトルは何ですか?

第9話のタイトルは「事件の真相 2」です。第8話「事件の真相」から続く後編で、小山の逮捕、嵐山と九条の衝突、犬飼の出所が描かれます。

『九条の大罪』は続編がありますか?

最終回には猛の拉致、壬生と京極の対立、嵐山の捜査など多くの伏線が残っています。ただし、続編についてはNetflixなどからの正式発表を確認する必要があります。

執筆:月白しずく

コメント

タイトルとURLをコピーしました